田岡茂一 (たおか もいち 1990-1996週刊少年ジャンプ)
陵南高校バスケットボール部監督
『SLAM DUNK』でよく引用されるシーンに、8巻の145ページで安西監督が三井寿に告げる「あきらめたらそこで試合終了だよ」というものがあるが、わたしが特に印象に残っているのは、17巻の138ページの田岡監督と流川楓のやりとりである。
田岡茂一は全国大会出場を夢見て毎年優秀な選手のリクルートに燃えていた。
しかし、中学MVPだった三井寿は安西監督がいいという理由で湘北高校へ行ってしまう。
その翌年も、抜群の運動能力を持つ宮城リョータを狙ったが、安西監督の湘北へ行ってしまう。
そしてさらにその翌年、奴こそ間違いなく10年に1人の逸材だ!と思っていた流川楓に声をかけたが、やはり湘北高校を選ぶという。
流川に「なぜだ⁉安西先生か⁉」と問うたときに返ってきた答えが「近いから」だった。
当時わたしは地元で一番の進学校の高校に通っていたので、選手目線で、ミッチーと宮城リョータの気持ちはなんとなくわかったが、流川の感覚はわからなかった。わからないなりに「かっこいいなあと」思っていた。
それが、いまやっている税理士という仕事は、どのようにお客さんを獲得するかとかどのようなお客さんをターゲットにすればよいかとかのルールがほとんどない世界なので、「近いから」の感覚がわりとしっくり来るようになった。
こんなことになるとは高校生のわたしにはまったく想像できなかった。
不思議な縁でお客さんが少しずつ増えていっていて、とても面白い日々となっている。