1999年のグラスワンダー


春の天皇賞でセイウンスカイやメジロブライトを寄せ付けず快勝したスペシャルウィークと、安田記念でエアジハードに足元をすくわれ2着だったグラスワンダー、どちらが現役最強馬なのか、1999年の宝塚記念はその1点に注目が集まっていた。

いっぽうそのころのわたしは、競馬で言えば未勝利クラスをさまよう存在であった。
大学に入学したものの友だちができず、やっとみつけた居場所であるサークルの部室やアルバイト先にも顔を出さないようになって、入学してから5年目を迎えていた。
中学や高校のころの友だちにもみじめだから自分からは連絡しないようになっていった。
今後どうしていいかさっぱりわからなかった。

そんなわたしをあざ笑うかのように、グラスワンダーはスペシャルウィークを一瞬で抜き去り、軽々とゴールを駆け抜けていった。
かっこよかった。

グラスワンダー号のご冥福をお祈りいたします。


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