誰にでもできる恋愛


25年くらい前、大学を辞めて、実家に戻って、なにもない自分がこれからどうすればよいかということを真面目に考えていたときに、最初に読んだ本が、村上龍さんの表題のエッセイであった。

読んでみると、恋愛のことはほとんど書いていなくて、とにかく自立しろ、自立しなければ話にならないというようなことが書いてあった。
自立どころか実家に戻ってコンビニのアルバイトから再スタートしたわたしには、非常に荷が重い課題に映った。

「誰にでもできる恋愛」なんてつまらない
↓
恋愛というものはリスクを背負うことができる男女だけがするものである
↓
リスクを背負うことができるのは自立した者だけである

自分なりのやりかたでやってみたら人生の失敗コースみたいになってしまったわたしに、そういう目指すべき価値を呈示してもらえたことは、とても大きかったと思う。
いつも現代社会と個人の生き方の関係について真面目に考えてくれていて、非常にたのもしいかたであった。
村上龍さんのご冥福をお祈り申し上げます。


トップへ戻る