小学校2年生の12月上旬、友だちの家に遊びに行ったら、新発売の任天堂ファミリーコンピューターが置いてあった。
クリスマスプレゼントで買ってもらったとのことであった。
友だちと、「F1レース」というゲームを楽しんだ。
わたしは、2つのことにびっくりした。
テレビゲームといえばエポック社のカセットビジョンの登場が画期的で、しばらくカセットビジョンの時代が続くだろうと思っていたのに、違うメーカーのテレビゲームが発売されるなんて、この先どうなってしまうのだろうか。
クリスマスプレゼントというのは12月24日にサンタクロースが持ってきてくれるものだとばかり思っていたのに、12月上旬にプレゼントをもらっているとは、いったいどういうことなのか。
前者のわたしの心配をよそに、ファミコンは爆発的に普及していった。
クラスの男の子のほとんどが所有するようになっていった。
だが、どいうわけか我が家では買ってもらうことができなかった。
サンタクロースにお願いしても願いは届かなかった。
そして、小学校5年生くらいのとき、不満を爆発させたわたしは、お父さんに大規模な抗議活動をおこなうに至った。
いつもはおとなしいお父さんが、このときばかりはわたしの態度に堪忍袋の緒が切れたようで、町内を追いかけまわされた。
かけっこには自信があったので、わたしは逃げ切ることができた。
いま、わたしのお父さんは、昏睡状態である。
あのときの怒りを思い出して、復活してほしい。
